tsubaki guitars & leather

木製ロードバイクフレームの試作

ロードバイクのディメンジョンで木製のフレームを試作しています。

このプロジェクトは、

という乗り手にとっての意味と、

という文化的・社会的な意味を求めたものです。

最初の試作は短時間の走行で破壊試験を行う予定なので、今回は強度を落とした設計です。二回目の試作では、ある程度の長距離を走っての試験ができるように、今回破壊した場所を中心に強度を見直します。

三回目の試作でほぼ実用的な性能と強度の自転車にしようと思っています。将来製品化するかもしれません。

使用する木材はローズウッドとメープルです。 多くの部品を曲げ加工によって制作するので粘りがあって強度の高い材料を選んでいます。 どちらもアコースティックギターの側板や裏板に使うよく乾燥した材料です。
曲げ加工前の材料の製材です。部品の大きさに木材を切り厚みを調整します。 製材する枚数が多いのでこの作業にかかる時間は製作時間の多くを占めます。 大量生産するなら自動化したい工程ですし、省力化できることならしたい工程です。
シートポスト。曲げては接着(積層)を繰り返します。 曲げやすさを考えて板厚は2.5mmにしていますが、蒸気や大きな鍋で煮て加湿加熱する方法ならばもっと厚くても大丈夫です。
これはハンドルの部品です。左右別々に曲げ・積層してからステム部分で接着します。
チェーンステイとリア補強アームです。
フロントフォークです。効率を考えると雄型と雌型を作って、数枚同時に曲げて積層するのが良いのですが、今回は一枚ずつ曲げては接着を繰り返しました。
ダウンチューブ。これは曲げ加工ではなく削り出した部品を接着します。
曲げ加工と積層が終わった部品を並べて図面の寸法通りになっていることを確認している様子。
トップチューブとダウンチューブの接合部はホゾ組み。両者の接合部に挟む部品は下方向の荷重に耐えるために、木目が上下になるようにしています。
リアの補強アームとダウンチューブの接合部もホゾ組み。
トップチューブの補強アームとダウンチューブの接合部もホゾ組み。
シートポストに木製のサドルを取り付けた様子。
フロントフォーク以外の部品を仮組みして全体のバランスを見ている様子。
ボトムブラケットシェルの圧入・接着。この部品は外注機械加工です。
リアブレーキキャリパーの取り付け。キャリパーが取り付けられているプレートにはブレーキを掛けた際に下方向に引っ張られるので、上からホゾに嵌め込むように接着し、左右から鉄棒を入れて補強しています。
曲げ・積層加工した左右ハンドルバーを接着後に握りの部分を丸く加工。
ハンドル中央部に木を埋めています。
ブレーキレバーやシフターを仮り付けしてハンドル形状と寸法を確認。
ヘッドチューブは曲げ・積層した部品を接着して囲っています。
この時点で前輪と車体の中心線が出てないといけないので、この部分の加工には気を使います。
ヘッドチューブを木の部品で囲ってこの部分の加工は終了です。
フロントフォークの組み立て。ステアリングポストの延長線上よりも少し前に前輪の車軸がくるので、少し角度をつけてステアリングポストとフォークが取り付けられています。この時点でヘッドチューブにフロントフォークを通して、車体と前輪の中心線にズレがないかを確認します。ズレはゼロが理想ですが、今回の試作では1ミリほどズレました。手加工だったのでほんの少しの手先の狂いが招いた失敗です。次回の製作では加工用の機械を自作して望みます。
フロントブレーキキャリパーの取り付け。ステアリングポストの周り止めと補強のために、キャリパー取り付け穴にはアルミパイプを差し込んでいます。
エンド金具はアルミ板を切削して作成。これも手加工なのであまりキレイな出来ではありませんが、今回は試作ということでここは大雑把な加工で良しとしました。
ヘッドセットの取り付け。専用工具でヘッドセットをヘッドチューブに圧入している様子です。
ヘッドセットの取り付けが終わった様子。タンゲのヘッドセットを使いました。
リアディレイラーの取り付け。10速の105です。
専用工具を使ってステアリングポストにスターナットを圧入します。
部品の塗装。今回はウレタンのスプレイ塗装にしました。
46Tのチェーンリング。クランクは105です。この試作自転車はフロントシングル、リア10速という仕様です。自分の脚力ではフロント48T x リア18Tで最大勾配14%の箱根旧道をなんとか登りきれるので、フロント46T、リア12T〜25Tの構成なら登坂で苦労することはないと思われます。
カセットは10速のUltegra。
シフトワイヤーの取り付け。ワイヤーはフレームの中を通しています。
ブレーキワイヤーの取り付け、ハンドルグリップとサドルカバー(共に本革製を予定)の製作を残して、ほぼ完成した車両の姿です。 車両総重量は8.7kgです。